1: 2020/05/01(金) 18:12:10 ID:YD2DJmgv0.net
上司「お久しぶり。さっそくだが、君の旦那さんはとんでもないミスをしてしまった……」
人妻「一体どんな……?」
上司「新製品のデータが入ったUSBメモリを紛失してしまったのだ……」
人妻「ああっ……」
上司「旦那さんをクビにしたくなければ……君ならどうすればいいか分かるね?」
人妻「は、はい……」
人妻「私にそれを探し出せ、と……」
上司「その通り!」
人妻「一体どんな……?」
上司「新製品のデータが入ったUSBメモリを紛失してしまったのだ……」
人妻「ああっ……」
上司「旦那さんをクビにしたくなければ……君ならどうすればいいか分かるね?」
人妻「は、はい……」
人妻「私にそれを探し出せ、と……」
上司「その通り!」
2: 2020/05/01(金) 18:12:34.526 ID:NML7jV5Sa.net
感動した
4: 2020/05/01(金) 18:12:59.060 ID:VFG4Gnnz0.net
身内とはいえ社外の人間に機密情報を探させるな
5: 2020/05/01(金) 18:13:07.297 ID:YvVSEDh/a.net
しゃーない
6: 2020/05/01(金) 18:13:16.691 ID:f+JktiDQa.net
たぬきがいてよかった
7: 2020/05/01(金) 18:14:10 ID:85m8IFMdr.net
たぬきすごい
9: 2020/05/01(金) 18:15:18 ID:YD2DJmgv0.net
上司「引き受けてくれるかね?」
人妻「ええ、やります」
人妻「ところで、主人はどういう状況で紛失したと……?」
上司「○×駅までは確かに持っていたそうだが……そこで失くしてしまったらしい」
人妻(あの人が重要なデータが入ったメモリを落とすとは考えにくい。きっと盗まれたんだわ)
人妻(となると、考えられるのは――プロのスリ!)
人妻(○×駅近くを縄張りしてるスリというと……)
人妻「分かりました、すぐ出発します!」シュッ
上司「消えた……! もう目星をつけたのか……」
人妻「ええ、やります」
人妻「ところで、主人はどういう状況で紛失したと……?」
上司「○×駅までは確かに持っていたそうだが……そこで失くしてしまったらしい」
人妻(あの人が重要なデータが入ったメモリを落とすとは考えにくい。きっと盗まれたんだわ)
人妻(となると、考えられるのは――プロのスリ!)
人妻(○×駅近くを縄張りしてるスリというと……)
人妻「分かりました、すぐ出発します!」シュッ
上司「消えた……! もう目星をつけたのか……」
10: 2020/05/01(金) 18:16:46.582 ID:lhyjwLoxr.net
消えたってなんだよ
12: 2020/05/01(金) 18:18:25.798 ID:YD2DJmgv0.net
○×駅――
スリ師「おぉ~、さっきのサラリーマン、結構持ってやがった!」
スリ師「へへへ……今日も儲けたぜ」
人妻「相変わらずの腕ねえ」
スリ師「!」
スリ師「あ、あんたは……!」
人妻「こうして会うのは何年ぶりかしら?」
スリ師「な……なんの用だ!」
スリ師「おぉ~、さっきのサラリーマン、結構持ってやがった!」
スリ師「へへへ……今日も儲けたぜ」
人妻「相変わらずの腕ねえ」
スリ師「!」
スリ師「あ、あんたは……!」
人妻「こうして会うのは何年ぶりかしら?」
スリ師「な……なんの用だ!」
13: 2020/05/01(金) 18:21:08.912 ID:YD2DJmgv0.net
人妻「別にあんたのスリを咎めに来たわけじゃないわ」
人妻「一つ質問に答えてくれればそれでいい」
スリ師「……?」
人妻「あんた人に頼まれて、あるサラリーマンからUSBメモリを抜き取ったでしょ?」
人妻「誰に依頼されたかを教えて欲しいのよ」
スリ師「……さぁ、なんのことだか」
人妻「一つ質問に答えてくれればそれでいい」
スリ師「……?」
人妻「あんた人に頼まれて、あるサラリーマンからUSBメモリを抜き取ったでしょ?」
人妻「誰に依頼されたかを教えて欲しいのよ」
スリ師「……さぁ、なんのことだか」
15: 2020/05/01(金) 18:24:24 ID:YD2DJmgv0.net
パキッ
スリ師「ああああああああああっ!?」
スリ師「俺の右手ぇぇぇぇぇ!?」
人妻「あんたは左利きだったわね。またしらばっくれたら左いくわよ」
スリ師「ううう……!」
人妻「もう一度聞くわよ。誰に雇われたか教えなさい」
人妻「あんたほどのスリ師が、雇い主の素性を調べてないなんてことないハズだものね」
スリ師「わ、わ、分かった、話すゥゥ!」
スリ師「ああああああああああっ!?」
スリ師「俺の右手ぇぇぇぇぇ!?」
人妻「あんたは左利きだったわね。またしらばっくれたら左いくわよ」
スリ師「ううう……!」
人妻「もう一度聞くわよ。誰に雇われたか教えなさい」
人妻「あんたほどのスリ師が、雇い主の素性を調べてないなんてことないハズだものね」
スリ師「わ、わ、分かった、話すゥゥ!」
17: 2020/05/01(金) 18:28:16 ID:uD9sIRMN0.net
人妻の正体が気になるな
18: 2020/05/01(金) 18:28:39 ID:YD2DJmgv0.net
スリ師「△△社だ……△△社のヤツだ! 黒いスーツを着てやがった……!」
人妻(△△社といえば、ライバル企業……やはりそういうことだったのね)
人妻「ありがと」
スリ師「あうう……」
人妻「これで替えのパンツでも買いなさい」パサッ
スリ師「……」
スリ師(相変わらず……恐ろしい女だぜ……)
人妻(△△社といえば、ライバル企業……やはりそういうことだったのね)
人妻「ありがと」
スリ師「あうう……」
人妻「これで替えのパンツでも買いなさい」パサッ
スリ師「……」
スリ師(相変わらず……恐ろしい女だぜ……)
22: 2020/05/01(金) 18:32:20 ID:YD2DJmgv0.net
夜、△△社のビル――
人妻「ここね」シュザッ
人妻(データをライバル社に利用される前に、取り戻さないと……)
人妻(さっそく敷地内へ……)
ガルルルル…
人妻「!」
人妻「ここね」シュザッ
人妻(データをライバル社に利用される前に、取り戻さないと……)
人妻(さっそく敷地内へ……)
ガルルルル…
人妻「!」
25: 2020/05/01(金) 18:35:24 ID:YD2DJmgv0.net
番犬「ガルルル……」
人妻(番犬が放し飼いにされてるとはね……)
番犬「ガァッ!」バッ
人妻「……」ギロッ
番犬「ガッ……!」
人妻「お手」
番犬「……」サッ
人妻「いい子ね」クスッ
人妻(番犬が放し飼いにされてるとはね……)
番犬「ガァッ!」バッ
人妻「……」ギロッ
番犬「ガッ……!」
人妻「お手」
番犬「……」サッ
人妻「いい子ね」クスッ
26: 2020/05/01(金) 18:38:00 ID:YD2DJmgv0.net
タタタッ
人妻「!」
警備員A「なんだ貴様は!」
警備員B「侵入者だ!」
警備員C「ひっ捕えろ!」
人妻「ふぅ……邪魔よ」ギロッ
人妻「!」
警備員A「なんだ貴様は!」
警備員B「侵入者だ!」
警備員C「ひっ捕えろ!」
人妻「ふぅ……邪魔よ」ギロッ
32: 2020/05/01(金) 18:40:34.996 ID:YD2DJmgv0.net
人妻「よっ」バキッ!
警備員A「ぐえっ!」
人妻「はっ」ドカッ!
警備員B「ぐおおっ……!」
人妻「もいっちょ」バキッ!
警備員C「うぐぅ……!」
人妻「いい運動したわ」
警備員A「ぐえっ!」
人妻「はっ」ドカッ!
警備員B「ぐおおっ……!」
人妻「もいっちょ」バキッ!
警備員C「うぐぅ……!」
人妻「いい運動したわ」
34: 2020/05/01(金) 18:45:00.740 ID:YD2DJmgv0.net
タタタッ
人妻「……」
人妻(ビル内は広いし、あちこちセンサーがあって、捜索が捗らないわ)
タタタッ
人妻「……!」ハッ
人妻(この部屋……“くさい”わね)
人妻(入ってみましょう)ガチャッ
人妻「……」
人妻(ビル内は広いし、あちこちセンサーがあって、捜索が捗らないわ)
タタタッ
人妻「……!」ハッ
人妻(この部屋……“くさい”わね)
人妻(入ってみましょう)ガチャッ
35: 2020/05/01(金) 18:48:12 ID:YD2DJmgv0.net
シーン…
人妻「……」
ガシャァンッ!!!
人妻「!」
人妻「壁が落ちてきた! 閉じ込められたわ!」
人妻「……」
ガシャァンッ!!!
人妻「!」
人妻「壁が落ちてきた! 閉じ込められたわ!」
37: 2020/05/01(金) 18:50:49 ID:YD2DJmgv0.net
ブシュゥゥゥゥゥゥ…
人妻「これは……!? 毒ガスッ!」
人妻「ま、まずい……吸うわけには……いかな、い……」
人妻「う、うぅっ……」ガクッ
ドサッ…
人妻「これは……!? 毒ガスッ!」
人妻「ま、まずい……吸うわけには……いかな、い……」
人妻「う、うぅっ……」ガクッ
ドサッ…
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39: 2020/05/01(金) 18:54:45 ID:YD2DJmgv0.net
……
黒服「クックック、まんまと罠にかかりおって。愚かなネズミめが」
黒服「どれどれ……」スッ…
人妻「……」
黒服「ふむ……呼吸は停止している。心臓も止まっているな」
黒服「さて、社長にネズミ退治の報告に行くか」
黒服「クックック、まんまと罠にかかりおって。愚かなネズミめが」
黒服「どれどれ……」スッ…
人妻「……」
黒服「ふむ……呼吸は停止している。心臓も止まっているな」
黒服「さて、社長にネズミ退治の報告に行くか」
41: 2020/05/01(金) 18:57:50 ID:YD2DJmgv0.net
黒服「社長、ネズミを退治しました」
社長「ほう、なかなか美しいネズミではないか」
黒服「おそらく、先日スリを用いて手に入れた例のデータを取り戻しに来たものかと」
社長「しかし、我が社のセキュリティの前ではネズミは所詮ネズミだったというわけか」
黒服「おっしゃる通りです」
社長「報告ご苦労。このネズミを処理したら、例のデータを分析して……」
社長「我が社が先に画期的な新製品を作るのだ!」
人妻「……」ピクッ
二人「――え?」
社長「ほう、なかなか美しいネズミではないか」
黒服「おそらく、先日スリを用いて手に入れた例のデータを取り戻しに来たものかと」
社長「しかし、我が社のセキュリティの前ではネズミは所詮ネズミだったというわけか」
黒服「おっしゃる通りです」
社長「報告ご苦労。このネズミを処理したら、例のデータを分析して……」
社長「我が社が先に画期的な新製品を作るのだ!」
人妻「……」ピクッ
二人「――え?」
42: 2020/05/01(金) 19:00:28 ID:YD2DJmgv0.net
人妻「黒幕にたどり着けたわ」ムクッ
社長「うわああああっ!?」
黒服「貴様、罠にかかったはずじゃ……!」
人妻「罠にかかったのはわざとよ。さっさと黒幕にたどり着けると思ったから」
黒服「それに、確かに死んでいたのに……!」
人妻「仮死状態になるくらいたやすいことよ」
人妻「さぁて、例のUSBメモリ、返してもらおうかしら。大人しく返すなら見逃してあげる」
黒服「誰が返すか! こっちこそ、今すぐあの世に送り返してやる!」チャッ
パンッ! パンパンッ!
社長「うわああああっ!?」
黒服「貴様、罠にかかったはずじゃ……!」
人妻「罠にかかったのはわざとよ。さっさと黒幕にたどり着けると思ったから」
黒服「それに、確かに死んでいたのに……!」
人妻「仮死状態になるくらいたやすいことよ」
人妻「さぁて、例のUSBメモリ、返してもらおうかしら。大人しく返すなら見逃してあげる」
黒服「誰が返すか! こっちこそ、今すぐあの世に送り返してやる!」チャッ
パンッ! パンパンッ!
44: 2020/05/01(金) 19:03:18 ID:YD2DJmgv0.net
黒服「消えた!?」
社長「どこへ……」
人妻「こっちよ」サッ
ガシッ!
黒服「く、首を……! ぐる、じ……!」
人妻「半日くらい眠ってもらうわ」ギュゥ…
黒服「あぐぅ……」ガクッ
社長「どこへ……」
人妻「こっちよ」サッ
ガシッ!
黒服「く、首を……! ぐる、じ……!」
人妻「半日くらい眠ってもらうわ」ギュゥ…
黒服「あぐぅ……」ガクッ
46: 2020/05/01(金) 19:06:33 ID:YD2DJmgv0.net
人妻「さぁ、データを返しなさい」
社長「か、返すものか!」
人妻「仕方ないわね。じゃあ、ちょっと殴る蹴るさせてもらうわ」
社長「ぼ、暴力なんかには屈しないぞ!」
人妻「まるで被害者みたいないい方して、盗人猛々しいとはこのことね」
社長「う、うるさい!」
人妻「じゃあ……どこまで耐えられるか見せてもらおうかしら」
社長「か、返すものか!」
人妻「仕方ないわね。じゃあ、ちょっと殴る蹴るさせてもらうわ」
社長「ぼ、暴力なんかには屈しないぞ!」
人妻「まるで被害者みたいないい方して、盗人猛々しいとはこのことね」
社長「う、うるさい!」
人妻「じゃあ……どこまで耐えられるか見せてもらおうかしら」
48: 2020/05/01(金) 19:10:03 ID:YD2DJmgv0.net
……
社長「女王サマァ~ン!」
社長「あふぅぅぅぅぅぅ! もっと……もっと痛めつけて下さいませ!」
人妻「写真もいっぱい撮ってあげる。何かあったらばら撒くからね」パシャッ! パシャッ!
社長「あはぁぁぁぁぁん! 最高ォォォォォォ!」
人妻「じゃあ、女王から命令よ。盗んだデータ返して?」
社長「はいっ、返します!」サッ
人妻「いい子ね」クスッ
社長「女王サマァ~ン!」
社長「あふぅぅぅぅぅぅ! もっと……もっと痛めつけて下さいませ!」
人妻「写真もいっぱい撮ってあげる。何かあったらばら撒くからね」パシャッ! パシャッ!
社長「あはぁぁぁぁぁん! 最高ォォォォォォ!」
人妻「じゃあ、女王から命令よ。盗んだデータ返して?」
社長「はいっ、返します!」サッ
人妻「いい子ね」クスッ
50: 2020/05/01(金) 19:14:03.520 ID:YD2DJmgv0.net
人妻「じゃあね、楽しかったわ」
社長「ボ、ボクもです!」
人妻「それじゃ、もう二度とこんなことするんじゃないわよ」
人妻「さようなら」シュバッ
社長「……女王サマ」キュンッ
…………
……
社長「ボ、ボクもです!」
人妻「それじゃ、もう二度とこんなことするんじゃないわよ」
人妻「さようなら」シュバッ
社長「……女王サマ」キュンッ
…………
……
53: 2020/05/01(金) 19:18:20.240 ID:YD2DJmgv0.net
上司「よくやってくれた」
上司「さすがは……我が社の誇る敏腕産業スパイだった女だ。仕事が早い」
人妻「昔のことですわ。表向きはOLでしたし」
上司「ところで……これからも我が社のために尽くしてくれる気はないかね?」
人妻「ありません。私は引退して、寿退社しましたので」
上司「旦那さんをクビにしたくなければ……といわれたらどうするね?」
人妻「……」
上司「さすがは……我が社の誇る敏腕産業スパイだった女だ。仕事が早い」
人妻「昔のことですわ。表向きはOLでしたし」
上司「ところで……これからも我が社のために尽くしてくれる気はないかね?」
人妻「ありません。私は引退して、寿退社しましたので」
上司「旦那さんをクビにしたくなければ……といわれたらどうするね?」
人妻「……」
54: 2020/05/01(金) 19:21:26 ID:YD2DJmgv0.net
人妻「今回は主人のミスだったので、手を貸しましたが……」
人妻「もし今後、主人の処遇を盾に、私を脅すような真似をしたら……」
人妻「会社のスキャンダルというスキャンダルを全て世間にばら撒き」
人妻「あなたのことも社会的に抹殺します。いっそ本当に死にたいと思うくらいに」
上司「……!」
人妻「そして、あなたの破滅や会社の倒産を見届けたら、私は夫と静かに生きていきますわ」
人妻「これが単なる口だけの脅しか、それとも……あなたならお分かりね?」
上司「わ、分かった……。今いったのは……忘れてくれ……」
人妻「もし今後、主人の処遇を盾に、私を脅すような真似をしたら……」
人妻「会社のスキャンダルというスキャンダルを全て世間にばら撒き」
人妻「あなたのことも社会的に抹殺します。いっそ本当に死にたいと思うくらいに」
上司「……!」
人妻「そして、あなたの破滅や会社の倒産を見届けたら、私は夫と静かに生きていきますわ」
人妻「これが単なる口だけの脅しか、それとも……あなたならお分かりね?」
上司「わ、分かった……。今いったのは……忘れてくれ……」
55: 2020/05/01(金) 19:24:17 ID:YD2DJmgv0.net
夫「ただいま~!」
人妻「お帰りなさい」
夫「実は僕、重要なデータが入ったUSBメモリを失くしちゃったんだけど……」
人妻「まぁ、大変」
夫「運よく見つかって、怒られるだけで済んだよ。本当に危なかった……!」
人妻「よかったわね、あなた。きっと日頃の行いがよかったのよ」
おわり
人妻「お帰りなさい」
夫「実は僕、重要なデータが入ったUSBメモリを失くしちゃったんだけど……」
人妻「まぁ、大変」
夫「運よく見つかって、怒られるだけで済んだよ。本当に危なかった……!」
人妻「よかったわね、あなた。きっと日頃の行いがよかったのよ」
おわり
56: 2020/05/01(金) 19:24:43 ID:3bU40LoX0.net
面白かった乙
57: 2020/05/01(金) 19:24:56 ID:6ukFAGn80.net
あれ、パンツ履いていいの?